2018年9月24日月曜日

大柴広己とオベーション スーパーアダマス

2014年の夏、渋谷にある馴染みの楽器店に勤める
某、斉藤くんから連絡があった。

「大柴さん、スーパーアダマス買いませんか?」

スーパーアダマスとはギターメーカーOVATIONが誇る
最高級ラインのギターで、
定価は約100万円ほど。
そしてそのスーパーアダマスと言うギターは
自分が音楽だけでメシを食っていこうと決めた22歳の時、
漢の36回ローンで買った思い出のギターである。
その決意もあってかその翌年にデビューが決まり、
プロとしてのキャリアをスタートすることになるのだが、
そのアダマスもレコード会社と事務所をクビになる際、
家の引っ越し代捻出のため泣く泣く消えていくことになる。
それ以来のトラウマで正直オベーション社自体にいいイメージはなかった。

とりあえず二つ返事で弾きに行くわと約束をとりつけ、楽器屋に行くと。
待ってましたと言わんばかりに某斉藤くんは
黒いオベーションのロゴ入りハードケースを開いて見せた。
それは、思わず、うわぁ。と言ってしまうくらい
見事に黒光りした真新しいスーパーアダマスだった。
チューニングをしている段階でもう買う気まんまんだったのだが、
一つだけ気になることがあった。

それはギターのヘッド。

通常スーパーアダマスのヘッド部は馬の頭のような
見事な彫刻が施されたものなのだが、
その黒いアダマスはオベーションの通常ラインのヘッドが取り付けられていたのだ。

これは、痛い。

オベーションのスーパーアダマスを持ちたいギタリストは筆者含み、
だいたいその特徴的な馬の頭に憧れたものだったからである。
聞くとこれは2008年に限定で出たアニバーサリーモデルらしく、
200本しか作られていないその年だけのレアなスーパーアダマスだそうで、
だからヘッドはあえて通常のものを付けているそう。

まったくオベーション社も余計な計らいをしてくれたものである。
もしも馬の頭だったら即買いしてたものを。。

一通り弾き倒し、少し考える。と言い
1週間取り置きの約束を取り付けて店を出る。

帰り道、自販機で冷たいコーヒーをがしゃんとやり。
プルタブを空け、一息。
もうすぐ誕生日だしなあ。
とか、
長いツアーがまた始まるしなあ。
とか、自分に何とか納得させられるような言い訳を探し、
帰途につき、考えること1週間。

やっぱり買おう。

と思い立ち、渋谷の楽器屋の門を肩で風を切り入店。
実際は門じゃなく自動ドアだし、肩で風は切れないのだが、
そんなことはどうでもいい。
彼の口から衝撃のひとことが。

「すいません、さっきアダマス売れちゃいました。。」

もう、真っ白である。

その瞬間、リアルにさっきまで肩で切っていた風が猛烈に冷たく、
自動ドアは、かの羅生門のように見えた。

「1週間取り置きって言ってたので、、」

なんたることか、俺はまさかの1週間を一日勘違いをし、
8日目の朝に楽器屋に行ってしまったのである、アーメン、ラーメン、タンタン麺。

下取り用にと僕の右手に携えたギターは生贄にもなれず、
軽蔑するような目でこちらを見上げている気がした。
ひゅるり〜らら〜

「すみません!絶対また探しますんで!」

彼はそう言ってはくれたものの、可能性は低いだろう。
なぜならオベーションのスーパーアダマスはそれ自体がレアで、
高級品としてだけではなく、コレクターズ・ギターとして
中古品として出てくることさえも稀なギターなのだ。
なおかつ、この年代の200本しか作られていない、
日本に一体何本あるかわからないような激レアアダマスが
もう一度同じ楽器屋に入荷することなど、
100メートル先の鼻クソをゴム鉄砲で撃ち抜くぐらい難しく、
あり得ないことなのである。

意気消沈し、店を出て、
なんとも言えない気持ちでその夏を終え、一つ歳を取った。

それがきっかけだかどうだかは分からないのだが、
それ以来と言うもの自分の中のアコギ熱がさーっと冷め、
あんなにプライオリティが高かったはずのアコギが
自分のアルバムで登場することがなくなり、
大柴広己はエレキギターやバンドにぐーっと傾倒してゆくことになる。

その後、シンガーソングライターの弾き語りフェス、
SSW14もスタートし、自身のやっているレーベル「ZOOLOGICAL」の運営や、
自分のニューアルバムのレコーディングも始まり、
今までよりも圧倒的に忙しい日々を過ごしている間。
気づけば一年が過ぎた。

そんなことがあった事さえも忘れかけていた
2015年の誕生日の前日。一本の電話が鳴った。

「大柴さん、アダマス入荷したんで、弾きに来てください!」

羅生門がさーっとプレイバックしたもののの、
行くわ!とすぐ連絡を返し、
一年前に生贄にされる予定だったギターをまた生贄に携え、家を出る。

あんなに電車が来ることが待ち遠しかったことはなかった。

店のドアを開けると、若干ドヤ顔の某斉藤くんが
待ってましたと言わんばかりにケースを持ち出し、キーを開ける。

そして、そこには真っ黒に光ったあの日のスーパーアダマスが。

思わず感涙である。

そして、何より嬉しかったのはヘッド。

ヘッドが通常のオベーションのものではなく、あの馬の頭なのだ。

即、買います。といい、
ギターを無事に生贄に出し、
馬の頭の憧れのスーパーアダマスが僕の手元にやってきた。

きっと血眼になって探してくれていたんだと思う。
聞けば、このギターは、同じ2008年に同じラインで出た
アニバーサリー・モデルじゃないほうのスーパーアダマスで、
オベーション・カスタムショップ製のものだとのこと。

斉藤くんに深く御礼をし、大切にするよと言い残し、
料金を支払い、店を出た。
余談だが、値段もここでは言えないくらいの安さにしてくれた。

音や弾きやすさは正直メインギターのTRUTH TN-35に敵わないが、
それ以来と言うもの、その頑強なボディと取り回しの良さを武器に
年間150本もの僕のツアーのメインギターとしてずっと活躍している
この黒いスーパーアダマス。

あなたの街に伺った際、
そんなエピソードがあったんだ。なんてことを、
頭の片隅にちょこッと入れて見てくれたら、
少しだけ、今までよりもライブを楽しめるかもしれません。

最後まで見てくれてありがとう。
今後ともよろしくね。








2018年8月29日水曜日

大柴広己と1966年製 FENDER TELECASTER

僕の、フェンダーテレキャスター。
年代は1966年式のものだ。
エレキギターを持って歌うなんて考えもしなかった頃。
新大久保でこいつに出会って衝撃を受けて、
なんとか現金かき集めて手に入れてからもう10年。
でも実はメイプルネックじゃなくて
本当はローズネックが良かったとか、
ビグスビーアームなんてそもそもいらねぇよ重いだけだしとか、
クリーム色だと思っていた色が実はタバコのヤニで黄色くなったもので、
汚れを落としてみたら実はレアカラーのソニックブルーだったとか、
前の持ち主はDON SNOWっていうスタジオミュージシャンだったらしく
ボディにがっつりその名前が彫ってあるのが気にくわないだとか、
明らかにストーンズのシールを貼って剥がしたあとの横に
大きく「KEITH」って彫ってあるのもなんだかなあとか、いろいろありますが、

いつもそばにいてくれる相棒ですありがとうございますLOVE。

#fender #telecaster #guitar

2018年1月5日金曜日

あけましておめでとうございます。

2018年、

今年も、よりよき一年になりますように。

よろしくお願いします。


2016年12月31日土曜日

2017。新年。

2017年1月1日


あけましておめでとうございます。


新年もより良き一年になりますように。


大柴広己