やっと見つけた白い木造の喫茶店。
海が一望できる丘の上に建っている。
だけどここ。外観は西洋建築だけど、
よく見ると、なんとなく大昔のラブホのような雰囲気だ(ーー;)。
店に入るとお客さんはおじいさん一人。
そしてカウンターにはエプロンをつけた映画に出てきそうな中年の女性。
ぼくはとりあえずブレンドを注文し、すかさずトイレに。
用を足してから出ると。
さっきまで新聞を広げていたはずのじいさんがエプロンをつけている。
客じゃなかったんかーーい(;´□`)
…。まぁいいや。
しかし。ほどよくブレンドされたこのコーヒー、意外にもなかなか美味でした。
さらに加えてこの絶景。
店主らしきじいさん(さっきまでは客)に
ずっとここで営業されてるんですか?と聞く。
…。
…反応なし。
どうやら耳が遠いらしい(ーー;)
はっきりと大きな声でしゃべるとようやく聞こえた。
えー。
とりあえず。この間の会話を要約すると。
ここでもう30年も営業していること。
このラブホのような喫茶店を建てるのに一億ほどかかったこと。
そしてもうお金には一切興味がないこと。
出身地や。年齢をたずねても興味がなく。『忘れた』とのこと。
僕がミュージシャンだと言うと。やたらと女遊びを進められたこと。
自分も若い頃、東京でブイブイ言わせてたこと。
3日に一人しか客が来ないこと。
名前をたずねても『どうせもうすぐ死ぬから名前にも興味がない』と言われたこと。
そして。
もうすぐ12時のランチタイムなのに、
自分がメシを食うからと言う理由で僕を追い出し、店を閉めたこと。
青田さん(表札から推測)
あんた最高だよ(笑)。
てことでいまから本州最南端、潮岬に行ってきます。
アデュー。